野うさぎの思い出

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春も5月頃になると、天気のいい日にはかげろうが立つような陽気がでてきます。
りんごの花が終わって、あたりの雑木に藤の花が揺れるころ、
いきおい雑草が旨そうに生い茂ってきます。

草刈作業中、たまに出くわすのが野うさぎの親子です。草刈りは作業効率を考えて、
果樹園の外周から中心に向かって円を描くように刈って行くのですが、親にはぐれて
置いてきぼりになるのがでてくるのです。

天敵が多い野うさぎは、出産後まもなくから場所を転々と移動して子育てするそうで、
あまり幼い場合には親も全員を誘導しきれなくなってしまいます。

親の気配がどうしてもなくなってしまったときは、家で育てることになります。
はじめは2匹肩を寄せていかにも野生のプライドを示すかのように何一つ口にしないで
いたのですが、そこは我慢くらべ。それでも半日もすると、ちょうど子供たちの
飲み残していた粉ミルクを溶いてスポイトで口に含ませると、
なんとか鼻ずらについたミルクを舐めるようになりました。

そうなればしめたもの!
日に日にじょうずに飲めるようになっていきます。
みなさんはうさぎのウンチご存知ですか?親のウンチは、離乳菓子の”たまごボーロ”
みたいですけど、赤ちゃんの頃は、黒ゴマみたいなウンチするんですよ。

さすがに成長は早くて、2週間もすると草も食べるようになりますが、その頃から
悩みの種が発生してきます。草を食べだした途端、ウンチがめっぽう臭ってくるのです。

生まれながらの習性というものはたいしたもので、家で飼いだしてからまもなく
トイレの場所(茶だんす脇の隅っこ)を自ら決め、そこに猫用のトイレ砂をいれた
ブリキの菓子箱を置いてからというもの一度たりと粗相をすることはありませんでした。
それまでは、、、

ところが、いつの間にか大きく育ったうさぎは、上手に用を足してるつもりが、
尻をちょこっと上げてまさにその瞬間だけはみ出ちゃう事故が起き出したんです。
それがだんだん頻繁になって、しかも大粒にはなるわ、数はおびただしいわで、
1日1回のトイレの世話では追いつかなくなったんです。

それで、とうとうお盆が近づいた頃だったか、もとの畑近くに放してやったんだけど、
しばらくの間、藪と畑の間を出たり入ったりしてたんですよ。
さよならの挨拶してたんじゃないでしょうか。

今でも思い出すんだけど、ミルクがよっぽど大好きだったらしくて、
よくおねだりしたてたんですよ。いつも粉ミルクを溶いてたビニルコップをくわえて来ては
畳をコンコン打ち鳴らすんです。だいぶ大きくなったとはいえ、頭がすっぽり入るような
大きなコップの縁をくわえて走ってきては、人の足にしがみついてきて、
おねだりするんです。
なんとも可愛かったなあ。

野うさぎは人に慣れないって言うけど、あれ違いますね!

のうさぎ8

2015年12月30日