朝日町和合平りんご園 くだもの中屋

あっ、うまい!っていう感動をお届けするのが、私たち家族の喜びです。

TEL.0237-67-7709

〒990-1411 山形県西村山郡朝日町和合358-2

思い出
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ここには、私たちが体験した心に残る思い出を紹介します。心温まる思い出や自然界の出来事を紹介していきますので良かったら是非時間があるときに見てください。
タイトルをクリックすると見れますのでよろしくお願いします。

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野うさぎの思い出

春も5月頃になると、天気のいい日にはかげろうが立つような陽気がでてきます。
りんごの花が終わって、あたりの雑木に藤の花が揺れるころ、
いきおい雑草が旨そうに生い茂ってきます。

草刈作業中、たまに出くわすのが野うさぎの親子です。草刈りは作業効率を考えて、
果樹園の外周から中心に向かって円を描くように刈って行くのですが、親にはぐれて
置いてきぼりになるのがでてくるのです。

天敵が多い野うさぎは、出産後まもなくから場所を転々と移動して子育てするそうで、
あまり幼い場合には親も全員を誘導しきれなくなってしまいます。

親の気配がどうしてもなくなってしまったときは、家で育てることになります。
はじめは2匹肩を寄せていかにも野生のプライドを示すかのように何一つ口にしないで
いたのですが、そこは我慢くらべ。それでも半日もすると、ちょうど子供たちの
飲み残していた粉ミルクを溶いてスポイトで口に含ませると、
なんとか鼻ずらについたミルクを舐めるようになりました。

そうなればしめたもの!
日に日にじょうずに飲めるようになっていきます。
みなさんはうさぎのウンチご存知ですか?親のウンチは、離乳菓子の”たまごボーロ”
みたいですけど、赤ちゃんの頃は、黒ゴマみたいなウンチするんですよ。

さすがに成長は早くて、2週間もすると草も食べるようになりますが、その頃から
悩みの種が発生してきます。草を食べだした途端、ウンチがめっぽう臭ってくるのです。

生まれながらの習性というものはたいしたもので、家で飼いだしてからまもなく
トイレの場所(茶だんす脇の隅っこ)を自ら決め、そこに猫用のトイレ砂をいれた
ブリキの菓子箱を置いてからというもの一度たりと粗相をすることはありませんでした。
それまでは、、、

ところが、いつの間にか大きく育ったうさぎは、上手に用を足してるつもりが、
尻をちょこっと上げてまさにその瞬間だけはみ出ちゃう事故が起き出したんです。
それがだんだん頻繁になって、しかも大粒にはなるわ、数はおびただしいわで、
1日1回のトイレの世話では追いつかなくなったんです。

それで、とうとうお盆が近づいた頃だったか、もとの畑近くに放してやったんだけど、
しばらくの間、藪と畑の間を出たり入ったりしてたんですよ。
さよならの挨拶してたんじゃないでしょうか。

今でも思い出すんだけど、ミルクがよっぽど大好きだったらしくて、
よくおねだりしたてたんですよ。いつも粉ミルクを溶いてたビニルコップをくわえて来ては
畳をコンコン打ち鳴らすんです。だいぶ大きくなったとはいえ、頭がすっぽり入るような
大きなコップの縁をくわえて走ってきては、人の足にしがみついてきて、
おねだりするんです。
なんとも可愛かったなあ。

野うさぎは人に慣れないって言うけど、あれ違いますね!

のうさぎ8

モリアオガエルのこと

和合平には、台地を潤せるような川がありません。
昔から、いざというときのための、大小さまざまな沼が点在しています。
うちの果樹園にもため池があって、毎年6月ともなるとたくさんのモリアオガエルが
集まって池のほとりは卵だらけになります。メスの中には一際大きいものもいて、
そんな産卵シーンには5、6匹ものオスが押し合いへし合いして泡を立てているようです。
梅雨前のどんより蒸した午後には、いっせいに鳴き出したと思うとピタッとやんで、
また一匹の掛け声に吊られたように大合唱!
池の傍だけ異様な熱気に包まれるときがあるんです。

物好きな俺は仕事もしないで見とれているんだろうって?
まあ、ときどきはね!でも、農薬散布による環境破壊なんかが声高に叫ばれるときに、
ちょっとうれしい眺めなんです。
産卵の時期を過ぎるとすっかり静かになるんですが、
なかには産みつけた卵のちょっと手前にじっと見守る母ガエルを見つけることがあります。
池に張り出した枝に3日も4日も動かずにいるんです。その先には卵の入った泡のかたまり、
そこからはおたまじゃくしが落ち始めてたりして。
そんなの見つけたら誰か呼んできたくなりますよね。妻には笑われますけど!

疲れた体を癒すようにりんごの木の葉裏に寝待ってそっと風に揺れる姿は、
7月一杯くらい見かけることが出来ます。体は傷だらけで、黒目は横一文字に閉じたまま、
ちょっと触られたぐらいでは身動きひとつしません。
そんなちょっとしたことが、毎日の作業のなかの癒しになってるんだなと感じています。

もりあお

びっこひきのヤマドリ

みなさんは、ヤマドリとキジの違いわかりますか?
最近は、キジがずいぶん増えちゃって濃い紫の派手なオスによく目が留まるのですが、
かたやヤマドリのオスはめっきり見かけなくなってしまいました。
メスはどちらも地味な色合いで私にも区別が付かないくらい似ています。
ヤマドリは、そのメスをいくらか大振にして、胴体の3倍もの長い尾羽をピンと伸ばした
ような、それはそれは気品ある鳥です。
もう、ずっと前の話です。

一羽のオスのヤマドリが、3ヶ月ほどの間、毎日のように果樹園に姿を現しては
私たちがいるあいだ中、傍で餌をついばみ、遊んでいたんです。
ものすごくりっぱな尾羽を持ったアイツは、怪我しているらしく片方の足を決して
地面に着けることはありませんでした。餌を採るときはいつもぴょんぴょん跳ねて移動し、
脚立のてっぺんに止まっている姿はまさに風見鶏のようでした。

初めに出てきたのは、まだ残雪の残るリンゴ園で剪定の枝拾いを妻が一人でしていた時
だそうで、すっかり気に入られたらしく二度三度と現れて、人の周りでしばらく餌を
ついばんでは気づかないうちにいなくなってたんだとか。妻のことを、やさしい人と
見たのか、よほど運動音痴と安心してたのか。

私は、そのうちに呼び出せるようにもなりました。
果樹園の端の雑木林に向かって、クルルルー、クッ、クッ、クッ、クウ、クルルルー、
クッ、クッ、クッ、クウ、、、しばらくすると出てくるんです。人からの餌を受け取ることも
なく、ただ人の周りで一人遊びしているんです。そして夕暮れ時、私たちが車に乗り込む
気配を感じると、林に向かって歩き出すんです。そんな姿が、なんとも気高くて、
いじらしくて、いまでも忘れられません。

地面をすっかり草が覆って、りんごの花ももうすぐ咲き出しそうな春になっても
続きました。相変わらず指一本も触らせてはくれませんが、私たちの周り5メートル
くらいがアイツの縄張りのようでした。新梢摘み作業では、脚立の上から摘まれた
りんごの蕾がパラパラ落ちるのをすかさず羽をバタつかせて攻撃して遊んでいたものです。

一生治らないケガを負ったアイツにとって、ここは安心してくつろげる
唯一の居場所だったんだなって思います。

でも、ようやく厳しい冬を乗り切ったと喜んだ季節は、実は別れの季節でした。
いつの日からか、ピタッと姿を見せなくなったアイツは二度と姿を見せることはありませんでした。

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